JAXA相模原キャンパス特別公開に行って来ました。【其の六】
今回の件はこれで最後。
これまでのは↓
JAXA相模原キャンパス特別公開に行って来ました。【其の一】 - Hatena://羽井檸檬の日記帳。/
JAXA相模原キャンパス特別公開に行って来ました。【其の二】 - Hatena://羽井檸檬の日記帳。/
JAXA相模原キャンパス特別公開に行って来ました。【其の三】 - Hatena://羽井檸檬の日記帳。/
JAXA相模原キャンパス特別公開に行って来ました。【其の四】 - Hatena://羽井檸檬の日記帳。/
JAXA相模原キャンパス特別公開に行って来ました。【其の五】 - Hatena://羽井檸檬の日記帳。/
一通り会場を回ってきたので空いてきたであろう、はやぶさとイカロスのブースへ
はやぶさ編
午前中は別の行列ができていましたがさすがにこの時間は大丈夫だった模様。
さてというわけで、ふらふらとはやぶさ実物大模型のあたりから。
この模型も何度も見ましたけど、大きいなぁ。
地面に何か張ってある?なんじゃこりは?
「それは、イトカワの写真ですよ」との声が…。*1
わたし、イトカワに立ってたんだ!
- イトカワの重力はとっても小さいんです、だから、はやぶさは弾丸発射しなくてもカケラを集めることができたんです。
- ちなみにこれはターゲットマーカーです。見た目は灰色ですが、フラッシュをつけて写真を撮るとものすごく反射しますよ。強制フラッシュモードで試してみて下さい。
- そのターゲットマーカー、88万人の名前が記録されてました。その中で日本人の名前は20万人位なんです。はやぶさ2の時は1億人分くらい積んでいきたいですね!*2
はやぶさ2でもお名前持っていきますキャンペーンやるならもちろん参加しますよ!
イカロス編
はやぶさ、はやぶさ2のお隣がイカロスブース。あちこちにイカロス君のイラスト&ブラックイカロス様のイラストが貼ってありましたw*3
イカロスブースでは、膜面について色々教えてもらいました。
- この薄いフィルムにアルミを蒸着したのを使用しています。*4
- Qこの薄いのをたたんだんですか?!
- Aはい、たたんでました。
- Q裂けたりはしないんですか…。
- A万が一裂けてもそれが広がらないようにしてあります。実際に宇宙で広げた写真を見ましたが大きな裂け目とか無く綺麗でした*5
- このフィルム自体、裂けるというのには弱いんですがのびには強いんです。だからシワがついても大丈夫なんです。
意外と強いイカロスの膜面なのでした。薬剤を混ぜているところもあったけど、あれはもしかして、樹脂の材料だったのかな。
さて。もう一つ。
奥になにやら人だかりが…。おお、あの映像は噂のスケートリンク*6とカーリングの石*7と森治プロジェクトリーダ…*8
説明が一段落したタイミングで質問してみたです。
- Q今、イカロスはスピンレートを下げていますが、これが0回転になるとどうなってしまうんですか?
- Aイカロスは遠心力で帆を張っています。その帆で太陽の光を受けています。0回転になると帆を保てなくなってしまいます。なので定期的にスラスタをふいて回転を維持しています。
- Qblog等で風車効果というのを見ますが、これを応用して回転を維持することはできないんですか?
- A逆回転にするということですか。そうなると0回転を通らないといけないので。この0回転を通過できないんですよね…。
残念…。回転を維持するための燃料が無くなってしまっうとやはりダメなようです。
あらかじめ風車効果による回転方向って予測できないのかと言うことも聞いてみましたがそれも色々と難しいようです。
それでもまだだまだイカロスの旅は続くとのことでした。
宇宙のデータアーカイブ
データをためて整理をしますというお話。
「かぐや」の写真などがどのように使われているのかというのでGoogle Earthを使用してのデモが行われてました。
データの使われ方という線表があったので聞いてみました。
- Qさまざまな衛星のデータがありますが今どれくらいの容量になっているんですか?
- A大体10TBくらいになりますね。
- 衛星というと観測が終わったら終わりというイメージがありますが実際は違うんです。
- データを整理して公開するという作業が続くんです。
- そうやってデータを整理して長期アーカイブして世界中に公開しているのがこの「DARTS」と呼ばれているシステムです。*9
- 衛星の観測データというのは分野ごとにフォーマットがあるんです。それにあわせて整理保存をしています。
- このフォーマットのおかげでソフトを用意すればさまざまな衛星のデータを利用できるんです。
- 長期保存を行うことにより長い期間のデータを使った研究ができるようになるんです。
- Q「あかり」のブースでもデータの解析はまだまだこれからという話を聞きましたが。
- A「あかり」はものすごい量の観測データを残してくれています。その解析はまだまだこれからなんです。実際にはまだ解析中のものもあるので新しい発見がこれからあるかもしれませんよ。
- 「かぐや」もまだ色々なデータが残っています。あの飛んでいくような映像もまだ公開していないものとか有りますのでその辺も今後見えるようになると思います。
- ちなみにデータの公開にもいくつかその方法というのがあるんです。
- たとえば、「ひので」は対象が太陽と言う事と観測データが膨大ということもあり、早い時期でどんどん公開していきます。世界中の科学者がそのデータを待っていたりしますのでw
- 逆に「すざく」のように観測提案書を元に観測するような場合は、まずはその観測提案者だけに公開されます。そして1年が過ぎたら一般に公開されます。
- Qちなみにこのデータって誰でも見られるものなのですか?
- Aはい、誰でも見られます。DARTSで検索してみて下さい。ただ、研究者向けなので英語の部分が多いですけれども*10
「日本は日本の衛星のデータを公開し、そのほかの国もそれぞれで公開している。宇宙には国境はないので誰でもそのデータを利用できるんです。」との言葉がとても印象に残りました。
まとめ
もらってきたパンフレットを見ながら書いてきました。
結構見逃してるではないか…orz*11
それにしてもこの特別公開。まさか本当にWEBの向こうの人がその場で説明してくれているとは…。
皆さん名札をしているのでどうしても目が言ってしまいそこに書いてある名前に驚くと言うこと数回。
やはり実際にそれに関わっている人達の力ってすごいなって感じました。
今年見たことの続きが来年も見られることを楽しみにしつつ今回はこの辺で。
来年の予想
- 「ひので」と「あかつき」の共同観測の結果で新発見があるといいなぁ
- 「あかり」が残してくれた膨大なデータの結果から予想外の展開に
- 芝生の上でも問題なく走る?宇宙探査ロボット誕生
- μ20イオンエンジンが耐久試験中
- 「あかつき」の詳細な金星までの道が決定
- ブラックイカロス様、今年も元気
さて、どうなってることやら。
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